金色の翼
「陽一・・・?」
「うん・・・」
「もう....何も言わないで.....」
離れなくても良かったんだ・・・・
そう、僕は君から飛び立ってしまった。
僕の物語を見せることなく。
僕は君を忘れた。君から飛び立ったあの夜・・・・
あの夜からカゴへ
誰かが傷ついた僕を拾い上げ目に見えないカゴへ。
僕は閉じこもった。
同じ場所から見る日々は最初は新鮮で、君を1つ忘れられた。
僕は鳴くことを憶え・・・その中で過ごした。そして・・・
君をもう1つ忘れられた。
もう全て忘れた。
それでも良いと思った。
同じ場所から見る景色が変わらなくてもそれで良いと思った。
君に話す言葉もなく・・・。
当たり前のように・・・・。
ある時、僕は羽ばたくことをも忘れて鳴くしかないことに気づいた。
僕は鳴いた。鳴きじゃくった。
そのうち・・・鳴くことさえも・・・
唯一の鳴き方さえも忘れて行くのに気づいていた。
それをも忘れ気づかないフリ。それでも・・・
無理矢理鳴いていたんだ。
僕には何もなくなって行くのが手に取るようにわかっているのに・・・・。
鳴くのも、飛ぶのも憶えてることが何もなくなった。
あの頃.....僕の翼は金色だったと思う。
もう今は金色でさえなく・・・むしろ・・・翼さえ生えていない・・・。
折れたままに・・・・。
全て失ったのは・・・当然の罰で・・・
それは君を忘れたあの夜からこの運命を受け入れなければならなかったのだと。
『陽一の羽は金色だ・・ね・・・』と・・・彼女が言うから。
『僕の羽は純粋な色じゃないよ・・・。』と答えた。
そう・・・純粋じゃない・・・。
一気に君の記憶が頭を埋め尽くして・・・苦しい。
僕の頭の中の記憶がはじけ出した。
僕の一片を過去を未来を分けてあげるのは君だった。
そう君しかいなかった。
『聞いてもらえるかな?僕の鳴き声を・・・』
背中がじんじんと痛み出し・・・
焼けるように痛いこの痛みに気づくと・・・翼が生え始めていた・・・。
羽根が・・・・。
『陽一?』
君は僕を見つけ・・・・
『素敵な羽根になったね・・・』とそう言った。
そんなに驚かないで・・・・。
君の一部でもある羽根なんだよ・・・。
そう君にも同じ羽根が生えている。
おわり
![]()
「In the open___」にて2662番を踏んでいただいた作品です。
「北山さんで金色の翼」というお願いで書いてもらいました。
この作品への即興詩です。
『金色の翼』
「僕は君の元から飛び立って かごの中へと閉じこもった
君を一つ忘れ 鳴き方を覚え そして君をすべて…
次第に羽ばたけなくなった 終いには鳴くことさえ
でも気付かないフリをして 無理矢理鳴き続けた
もう僕には 何も残らなかった
あの頃の僕には 金色の翼があった
でも今は その翼もなくなった
何もかも失った 僕の頭の中には
君との記憶が埋め尽くされて 苦しい
でも色んなことに気付かされた その瞬間
僕の背中に また翼が生まれた
「素敵な羽根になったね」と 君は言うけれど
この羽根は 君にも生えているものだよ」
何だか色んな部分が印象に残って、長い即興詩になってしまいました(汗)
まだこの即興詩は見せていないのですが、どんな反応をするのでしょうか。ちょっと心配です(汗)
言葉に上手く出来ないので変かも知れませんが、この作品を読んで色々な想いを感じさせていただきました。
良い作品をいただいたなぁと思います。
文字色は内容に合わせて金色っぽくしてみましたがいかがでしょうか
80さん、ありがとうございます。
2003/8/20(WED)
(C)80
clip art by 絵夢